ポルシェ911(ナロー)
このポルシェは1970年型2.2リッターエンジン(125馬力)付き911Tで他にE,Sモデルが在り70年から71年まで約1万台製造された。もともとは1963年356モデルの後継車として開発され設計番号からモデル901として1964年のジェネーブ、ショウで発表され世界の注目を浴びたがフランス、プジョー社が3桁のモデルナンバーの真中に0を入れる商標を登録していたためクレームがつき911として発売された。そのため911の部品番号が901から始まるものが多くある。1970年大気汚染防止のためアメリカ合衆国でマスキー法が施行されそれまで大気汚染など関係なかった自動車の排気ガスに規制が懸かりポルシェの最大のマーケットであるアメリカ輸出のため発売当時の2リッターエンジンのピストン口径を4ミリ広げ2.2としてそれをクリアーし、これ以降ポルシェのエンジン排気量アップの歴史が始まるのである。1974年同じくアメリカで衝突時の安全性の確保のため5マイル(8km/h)バンパーが義務付けられポルシェも前後に衝撃吸収バンパーが取り付けられ1974年以前のポルシェをナローと呼ばれるようになった。1970年と言えば今から38年前。ここでちょっと考えて欲しい。これを読んでいる読者の年齢から38年を引いた時を思い出してみればこのポルシェが如何に長い年月大事に乗られたか。エンジンルームの写真をみればオリジナルそのままで新車当時の性能を維持しているところがいかにも老年の漁師の日焼けした顔や手のようにプロとしての男の年輪の様で、ピカピカに塗装したり磨いたりしてないところがかえって燻し銀のような美しささえ感じられる。(文・吉田章二)
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